雪月花美人三幅対 春章 jpsShunsho15

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雪月花美人三幅対 春章
絹本著色各 93.0×32.2 cm
落款:勝春章画
所蔵:熱海美術館
雪月花美人三幅対・花 /雪月花美人三幅対・月 /曾月花美人三幅対・雪
 この三幅対は、「柳下納涼美人図」と同じように、勝春章画と署名して、その下に花押が施されています。このような落款は春章のしばしば用いた慣例です。この三幅対の三個の落款をつぶさに観ますと、同じ文字でありながら、筆線と文字に微妙な差格をつけていることが知られます。そしてそれらの書体はそれぞれ他の作品の中に見出すことができます。
 この三作のうち曾景は、おそらく「すだれを掲げて観る」という清少納言の文意を発想因とするものでしょうし、月景は石山寺にこもって須磨や明石のもの思いして「源氏物語Lをかきつづった紫式部にヒントを得ての作意でしょう。花は何であるか一寸思い出しません。鉢の木見立てでもありましょうか。
 中幅が彫塗であるのに対して、左右両幅では洗錬された筆描の輪郭線が鮮かに目立って美しく、ともに江戸好みの姿・衣裳文様の美をほこり、文机に凭って文藻に案じ入る婦人は、典雅優麗な貴顕の深窓を思わせます。まことに暢達の作です。
 おそらくは天明期の五十歳ごろは、版画版本などの雑業から退いて、某々の貴顕や豪富な人々に敬仰されて、春章は肉筆美人面の製作に熱中し、画三昧の佳境にはいって悠々自適の日を送っていたと考えられます。日本の美人風俗画史上の傑作と称しても過言でありません。
勝川春章 Katsukawa Syunsho

Wikipedia Syunsho

ウィキペディア 勝川春章

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