役者絵 春英 jpsShunsho53

役者絵 春英

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役者絵 春英
大判錦絵 39.1×26.3 cm
落款:春英画板元:不明極印
所蔵:酒井コレクション
三代瀬川菊之丞
 寛政八年秋七月、桐座上演の『時花唄比翼三紋』に出演して油屋おそめをつとめた三代瀬川菊之丞とされます。
 これまたこわくなるほどに完好な保存で、紅・紫の色鮮かに、初版初摺りの権威をすら感じさせる、世上無類の遺品です。植物性顔料の透明鮮麗な色が奉書の紙質の中に深々と温存されていて、そこから発敵する豊潤な香りのような魅力が、芸術的観賞などに先行して見るものをとらえずにはおきません。あたかもすぐれた陶器がその単純で弾力的なカーブと色つやで、その作者は誰それという判断以前に把玩欲をかきたてるのと似たものが、浮世絵にはあります。しかも補色しやすい色が残っていることへの感銘が、破れずのこる陶器への愛欲と等しい哀歓となってもいましょう。
 この絵、うち見たところ豊国の舞台の姿絵にまごう構成の一人立ち俳優像を想わせますが、性格的な固執を洗い去った春英の心技の静かな落ち着きが見えて、好ましい出来です。
勝川春英 Katsukawa Syunei

ウィキペディア 勝川春英

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