風流七小町略姿絵・あらひ小まち 無款(豊国) jpstoyokuni02

風流七小町略姿絵・あらひ小まち 無款(豊国)

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風流七小町略姿絵・あらひ小まち 無款(豊国)
大判錦絵揃物37・3×24・3cm
落款:なし
板元:和泉屋市兵衛
まかなくに 何をたねとて うき草の 波のうねうね 生ひしげるらむ(伝小野小町)
 内裏での歌合を明日に控えた宵、小野小町はようやくなった鍍心の一首を口ずさみました。庭面に忍びぬすみ聞いた彼女の敵手大伴の黒主は、これを万葉集に書き入れ、当日衆に示して古歌と主張しましたが、小町はその草紙を洗って入筆の字を消し、黒主の奸計を挫きました。草紙洗小町の名で知られるこの趣を、豊国は浴槽に肌を洗い終えて、宵の縁先に涼む美人の艶姿にとりなしました。簸垣の菊の香を吹き送る秋風が、軒端に吊した風鈴の短冊をそよがせて、澄んだ音色も聞こえそうな画致が見事。青簾越しに見る美人の、半裸に近い浴衣姿は、源氏物語・夕顔の「をかしき額つきの透影」にも似通ってふしぎな媚めかしさを放射してきます。外の漆黒の闇には一面に膠をかけて夜は深沈としずまり、ちりばめた青貝の粉が見る角度によりあやしい煌めきを見せ’て、星の雫か螢火か、冴えた夜気を誘います。想といい表現といい、版画技法の極致を示した一作。なお当図は従来紹介を見ない作品と思われます。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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