美人と蛍狩図 北斎 jpshokusaib62

美人と蛍狩図 北斎

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美人と蛍狩図 北斎
紙本着色扇面一面
16.9×46.3cm
北斎改為一筆印
墨田区蔵
 子供たちでしょうか。蛍狩に興じる人影を遠景にのぞむ夕涼みの美人図です。浴衣を纏った肢体は藍で巧みな着彩がなされ、糊地の本紙の輝きとあいまって、染付磁器の肌を連想させます。黒髪の一筋一筋、手にした団扇の菖蒲の絵柄も仔細に描かれ、特に団扇は骨までが胡粉できっちりと描き込まれています。為一期は「冨嶽三十六景」など代表的版画作品がたて続けに制作された半面、肉筆画については。寡作な年代といえ、更につづく最晩年期に入ると。通常の浮世絵師が題材とするような市井の美人風俗を殆ど描かなくなることを考え合わせれば、本図は北斎の純然たる美人画としては最も遅い時期に属する貴重な作例といえましょう。なお、本作品は、明治後期から大正年間にかけて日本古美術の対米輸出に活躍した貿易商・松木文恭の旧蔵品であったことを付記しておきたいです。
葛飾 北斎 Hokusai Katsushika

Wikipedia Hokusai Katsushika

ウィキペディア 葛飾 北斎

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