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英泉 浮き世風俗美女競・万点水螢 jpskunisada51

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英泉 浮き世風俗美女競・万点水螢

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英泉 浮き世風俗美女競・万点水螢
大判錦絵 揃物 35.9×25.5 cm
落款:渓斎英泉画 板元:若狭屋与市 極印
酒井:所蔵コレクション
「美女競」は「みめくらぺ」すなわち眉目佳き美人のコンクールシリーズと洒落た意と解して、こうよんでみました。英泉が文政五年頃制作した美人大首絵集中でも白眉の画集で、中で一きわ傑出している図が、この蚊帳を出る美人です。
 この図の雰囲気は、上部拓本風の賛の字の暗示を味読することにより、ぐっと濃密化します。辞句は「万点水螢秋草中」で、これは『和漢朗詠集』夏の一節に見え、原拠は全唐詩の許渾作の長詩篇。朗詠集では郭公の題下に「一声山鳥曙雲外。万点水螢秋草中」の二句が引かれています。山鳥はホトトギスの意。晩夏の暁、起き出て蚊帳を掲げ、半身を出した美人の耳に、暁雲の外に鳴去るホトトギスの一声が聞こえ、草むらの中には、チラチラと、水辺に群がるホタルの光の明滅するのが見えた、という情景。懐紙を覗かせてはだけた美人の胸もとが色気をただよわせ、萌黄蚊帳に透けて白い指を見せた版画技法が効果的です。衣服のボカシは初摺り品にあって活気を添えますが、後摺りは略しています。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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