新板浮絵化物屋鋪百物語の図 しんばんうきえばけものやしきひやくものがたりのず jpshohi26

新板浮絵化物屋鋪百物語の図 しんばんうきえばけものやしきひやくものがたりのず

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新板浮絵化物屋鋪百物語の図 しんばんうきえばけものやしきひやくものがたりのず

葛飾北斎筆
大判釧絵
落款 春朗画
版元 内村屋与八
縦 25.9cm
横 35.8cm
天明末期~竟政初期(1786~89)頃
アメリカ ボストン美術館
 この作品は、西洋の合理主義的精神から編みだされた透視遠近法と、日本の古くから語り伝えられてきた、妖怪変化という土着的イメージを組みあわせたところが、まず面白い。「百物語」は、灯りをたくさんつけた部屋で人々が寄り集まって色々な怪談を語り、そのつど灯を一つずつ消してゆき、最後には部屋を真暗闇にするという遊びでした。
 つまり、怪談を語りあいながら、しだいにおたがいの想像力を高めてゆき、しまいに部屋を暗闇にしてぞくぞくするような恐怖感にひたるという、一種の胆だめしの意味があったのでしょう。
 この絵は、「百物語」の遊びで最後に妖怪があらわれたらこうなるという場面を描いていますが、遠近法による深い奥行きをもつ空間の内で、奇怪な異形の化物たちは屋敷中をわがもの顔に跳梁し、人間たちをあわてふためかせています。妖怪の出現「それは北斎が仕掛けたいたずらなのですが」に驚き狼狽する彼らの滑稽な姿に、人々は自分の姿を見るようでもあり、ついつい失笑してしまいます。そしてこうした明るい笑いに引きこもうとするところに、”笑いの文学”黄表紙に手をそめた、北斎の戯作者的な手口が感じられるのです。
葛飾 北斎 Hokusai Katsushika

Wikipedia Hokusai Katsushika

ウィキペディア 葛飾 北斎

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