読本『恋夢艦』香之巻挿絵 ゆめのうきはしかおりのまきさしえ jpshohi35

読本『恋夢艦』香之巻挿絵 ゆめのうきはしかおりのまきさしえ

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読本『恋夢艦』香之巻挿絵 ゆめのうきはしかおりのまきさしえ

葛飾北斎筆
楽々庵桃英作
墨摺半紙本(三巻)
版元篠屋徳兵衛
縦 22.4cm
横 15.6cm
文化六年(1809)
 夜八・お丑夫婦が惨殺した盲人淡都の亡霊があらわれ、お丑をせめさいなむ場面です。
 なんといっても隈取りに彩られた淡都の怨霊の表現がすさまじく、その鈎のような爪先から発した魔力でお丑を金縛りにしたまま、むりやり自分のほうに引きよせようとしています。
 こんな恐ろしいことが起こっているとも知らず、夜八は酔ったまま眠りこけています。北斎の悪戯か、そのそばに置かれた盃に顔が描かれ、それはまさに”知らぬが仏″と笑っているようです。
 墨潰しによる黒一色の空間が、底知れぬ恐ろしげな開をつくりだし、この情景のおどろおどろしさを倍増させています。
 北斎の悪魔的なものへの想像力と、それを完璧に生かすような演出力、そして比類のない表現力と、この図はこれらが三位一体となった、北斎読本挿絵における怪奇表現の白眉です。
葛飾 北斎 Hokusai Katsushika

Wikipedia Hokusai Katsushika

ウィキペディア 葛飾 北斎

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