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水売り 春信 jpsharunobu01

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水売り 春信

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水売り 春信

中判錦絵 25.5×19.3cm
落款:なし
板元:不明
所蔵:東京国立博物館
 真夏の日盛りの中を、笠をつけた若者が天秤棒に水桶をかついで、小走りに通り過ぎてゆきます。紫の着物は帯もしめず、風をはらんで、たもとやすそを吹き流します。江戸市中に涼味を運ぶ夏の風物詩の一主役、冷水売りの絵姿です。団子入りの甘く冷たい水を、「ひゃっこい、ひゃっこい」と戸をあげながら売り歩いた現実の姿は、たくましい男の体臭をふりまくものであったでしょうが、春信の手にかかりますと、可愛らしい少年のような姿に変えられてしまいます。
 この図は、紅一色のバックが、ことに印象深く用いられています。暑い陽射しを、一面に摺り込まれた紅色によって暗示する手法は、錦絵という多色摺技法の完成によってはじめて可能となったものであり、春信はもっとも効果的にこれを活用しています。
 なお、本図の初版に、「登光工」と好事家の名を記した明和二年の絵暦があり、現在シカゴ美術館に所蔵されています。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

ウィキペディア 鈴木 春信

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