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雪月花内・品川月 春重 jpsharunobu48

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雪月花内・品川月 春重

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雪月花内・品川月 春重

中判錦絵 28.2×20.8cm
落款:春重画 板元:不明
所蔵:リッカー美術館
 上部の雲形に「雪月花内 品川月 秋風に雲も晴行月影のひかりもたかき沖つしら浪」と記し、劣台に出て海上を見わたす男女の図を描きます。一見しただけでは春信の作品と見まがうほどに、春信様式を忠実に追っていますが、落款は「春重画」とあります。鈴木春重、のちに我が国ではじめて銅版画をつくることに成功した司馬江漢の、若き日の画名です。
 春信画にならったこの図も、仔細に見れば、春重らしい個性的な表現が明らかに認められます。ことに、メリハリのきいた直線によって画面をきっぱりと枠どる若々しい構図、波のうねりを表す曲線が沖に向かって短くまぱらに遠のき、右上の岬がしだいに小さくまた暗く遠ざかる合理的な遠近表現など、春信の絵画世界とは異質のものです。西洋画の学習に先鞭をつけた江漢が、浮世絵に、しかも夢幻的な情趣をたたえた虚構性の強い春信画にひかれた事実は興味深いです。そういえば、洋学の先党者y賀源内もまた、春信の親しい友人でしました。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

ウィキペディア 鈴木 春信

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