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ニ代市川高麗蔵の佐々木巌流 豊国 jpstoyokuni20

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ニ代市川高麗蔵の佐々木巌流 豊国

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ニ代市川高麗蔵の佐々木巌流 豊国
(「傾城水滸伝」寛政八年五月河原崎座)
大判錦絵 37・0×25・3cm
落款:豊國画
板元:上村与兵衛 極印
 上村版の豊国の役者大首絵は、寛政八年の狂言を扱ったものが多く、この絵も落款書体から見て同時期とみられます。以前この絵は、寛政八年八月河原崎座『貢物志賀の入船』に出演した市川高麗蔵の志賀大七とされていました。これを、この狂言が何かさしさわりがあって上演されず、したがって高麗蔵の志賀大七はありえぬ点に着目した故吉田嘆二氏は、同年五月河原崎座『傾城水滸伝』の佐々木巌流と判定されました。五十日鬘、忍び頭巾、青隈等敵役の諸条件を備えた扮装からその可能性は強いですが、ただ同時に高麗蔵はこの狂言で大盗石川五右衛門も演じているからこの可能性もあります。それはともあれ、陰性険悪な敵役の風4  表現にこの絵は類を見ぬ卓抜さを見せています。ほとんどを黒色で囲った中央に薄樺色の着衣と白い顔とを印象強く対比させ、青い目隈中の鋭い目のふちにわずかに入れた紅が凄気を呼びます。肉紋線の褐色、衣紋描線の濃淡等、版の効果を考え抜いた豊国の恐ろしいまでに気のはいった作品であります。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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