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娘と時計 祐信 jpsmoronobu13

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娘と時計 祐信
絹本著色 88.4×31.3cm
落款:西川右京祐信画之
所蔵:東京国立博物館
 井原西鶴の文中に当世の好みは丸顔であるといった言葉があったように思う。その西鶴好みを絵でいったのではあるまいかと見えるほどに、祐信は丸味を出しています。江戸では祐信と同期にはバラエティに富んでいますが、祐信風は春信に影響したと見て差支えないでしょう。
 祐信のこの風姿美が師匠からきたかどうかまだ確かめていません。だが祐信は大和絵の古様(たとえば源氏絵)などを学んでいるし、隆能源氏の丸顔も見ていたであろうし、一般に近世初期の風俗画中で上方の絵には京都特有の容貌があって、そうした流れの中できわめて時様風俗的な観点からこの容姿美を創成したのであろうと察せられます。その意味では春信も決して祐信の亜流ではなかったと私は考えています。この「娘と時計」は遺品中でも出色の作であり、彩技こまやかで美しい。手に難点はあります。
西川祐信 Nisikawa Sukenobu

ウィキペディア 西川祐信

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