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近江八景・比良暮雲 重長 jpsmoronobu52

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近江八景・比良暮雲 重長

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近江八景・比良暮雲 重長
細判漆絵 揃物 33.9×15.9cm
落款:ゑ師西村重長 板元:江見屋古右衛門
所蔵:シカゴ美術館
  雪はるゝ ひらの高峯の 夕ぐれハ
  はなのさかりに すぐるはるかな
とあります。「比良暮雪」と題して六の数字があるから、この形で八枚続き絵として印行したものでしょう。ちなみに近江八景は他に石山秋月・粟津晴嵐・堅田落雁・瀬田夕照・三井晩鐘・矢橋帰帆・唐崎夜雨の七画題があります。中国の瀟湘八景に擬して、琵琶湖は志賀の都のあたりを中心とする景勝を選んで八景を描き、また踊する。その後は京都・奈良・江戸など各地に八景が拡大されていきました。
 この重長の絵では山賤や樵夫らが杣道をくだって里へ出るところを漆絵として描くものであって、瀟湘八景の詩情もなければ、のちの広重の描く日本的な時趣もなくて、芸術的には取り上げる内容はほとんど感じられません。素朴な俗画にすぎないのであるが、稀観の初期版画としてみれば、貴重な一作であります。
西村重長 Nishimura Shigenaga

ウィキペディア 西村重長

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