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市川男女蔵の長尾三郎かけかつと市川八百蔵の横蔵 国政 jpstoyokuni42

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市川男女蔵の長尾三郎かけかつと市川八百蔵の横蔵 国政

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市川男女蔵の長尾三郎かけかつと市川八百蔵の横蔵 国政
(「本朝廿四孝」寛政十一年五月市村座)
大判錦絵 39・2×26・2cm
落款:國政画
板元:丸屋文右衛門
所蔵:酒井コレクション
 同じく寛政末、国政は七分身の役者二名を前後に組み合わせた構図の制作も試みています。本図はその一つで、寛政十一年五月、市村座上演『本朝廿四孝』に登場した市川男女蔵の長尾三郎景勝と市川八百蔵の横蔵を描いたもの。人物の役名としぐさから見て、この浄瑠璃の二段目、下諏訪明神社頭の場と考定されます。すなわち、同所で無頼漢横蔵(のちに武田の軍師山本勘助)が長尾家の家来を殺害したのを、長尾謙信の嫡男三郎景勝が来合わせて見咎めますが、横蔵の不敵な面魂に思う所あって見宥す場面であります。無頼の徒にやつしても、底光りする智将の風貌がどこかうかがわれる八百蔵の貫禄と、「生まれ付いたる大名風」と浄瑠璃にある悠揚とした風格を見せる若い男女蔵の人品とを国政はよく描写しています。ただ以前の大首に見たスケールの大きさと流動感は汲み取られず、固定化しかかった用筆を感じます。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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