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桜下の駕寵 春信 jpsharunobu12

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桜下の駕寵 春信

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桜下の駕寵 春信

中判錦絵 28.8×20.7cm
落款:鈴木春信 板元:不明
所蔵:ボストン美術館
 桜の花も今が盛りの存の野辺に、行楽に出た娘たちが駕庇を休めて一服します。若草の西りにみちた存の大気があたたかくゆきわたっているように、画師は、明るくのどかな雰囲気につつまれています。呪火に兄る光景に近く描きながら、なお浪漫的情緒を色濃くかもし出すあたり、いかにも青春の画家春信にふさわしい絵画世界です。
 すでに指摘されているように、この図は明らかに石川豊信の紅摺絵「駕庖美人しを原図に借りています。駕陥の内で煙管に煙草をつめる町娘と、かがんで火繩をさしのべるおつきの女という図どりは、画風の相違と時代風俗の変遷を別にすれば、ほとんど彼我相通じています。ただ決定的に災なるのが背景の処理です。呑信の錦絵が、春爛漫の野外の景を描いて主題の伴奏に意を配るのに反し、a信の紅摺絵は、背景を素地のまま残し、意の足らぬところは狂句を記しおぎなっています。紅摺絵から錦絵への進化の過程で、背景描写に対する画家の意識が、大きく転換したのです。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

ウィキペディア 鈴木 春信

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