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立美人 長春 jpsmoronobu09

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立美人 長春

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立美人 長春
絹本著色 112.ニ×53.5cm
落款:日本繪宮川長春圓
 さきに大和文華館蔵の「立美人」とフリヤ美術館蔵の「柳下に憩う美人」に言及したが、その双方を兼ねてさらに一格を顕示するのが、この「立美人」といっても遇言ではないでしょう。
 この美人の衣文にはフリヤ美術館蔵と似たところがあります。上に歌賛もなくて、大柄に一美人の行相の姿を写した、まさに堂々の感ある美人図であります。長春特有の美貌で、この人の場合は安度の項でいったような手指の過小さはなく、均衡のとれた姿となっています。またこの七三の角度からみた立像は、早く推古仏などにみられる形体美から脈絡する一種の伝統的な日本民族好みの相であるために、一見して得心できる美態であります。いちおう懐月堂の奥歯の筆さばきに近い描写であります。けれどもその筆様にはタフチがあり、色相の調和的構成も文様の造形効果も、長春には一日の長があることを、何人も直観するでしょう。
宮川長春 Miyagawa Tyoushun

ウィキペディア 宮川長春

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