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嵐三五郎の狐舞い 清信 jpsmoronobu10

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嵐三五郎の狐舞い 清信

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嵐三五郎の狐舞い 清信
紙本著色 32.4×44.6cm
落款:画工鳥居清信図
所蔵:ミネアポリス美術館
 この絵は戦後アメリカへ渡りましたが、戦前から鳥居博信の代表的な肉筆遺作として諸書に収録されてきました。比較的に小さな紙本の作出であります。重厚にがっちりと描き込んだ作風ではなく、軽淡の筆致で、しかも熟練のすえに自ら快適の境に達した筆さばきで、舞踊の一瞬を活現しました。その筆の冴えはおそらく師宣にも長春にも懐月堂にも見出せぬところでしょう。演劇という四次元の人間を写しつづける清信には、その意味での芸境があるのでしょう。釣狐の後ろ面、わなの鼠、三五郎のポーズと眼晴の方向とが竿と双腕、片足あげたゆび先の動きと隋円運動でまとめ上げて快適であります。
 この図は享保十四年(1729)に没した初代清信の作と考えられてきています。それを否定はしないが、享保二十年(1735)作「歌舞伎図絵馬」(南知多町に二面あり)の落款や画風と類比して、なお流動的であると、今のところ言わねばならません。
鳥居清信 Torii Kiyonobu

ウィキペディア 鳥居清信

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