三代沢村宗十郎と嵐竜蔵 豊国 jpstoyokuni21

三代沢村宗十郎と嵐竜蔵 豊国

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三代沢村宗十郎と嵐竜蔵 豊国
大判錦絵 36・8×24・7cm
落款:豊國画
板元:會
 豊国は単独大首絵から進んで七分身の二人を組み合わせた構図も試み出しています。似顔の写実と、科の動感とを表現しうる可能度の接点をこの様式に見出したのでしょう。山形に伝字の版元が刊行し、すべて好図ですが、特に掲出の一作は印象に強く訴えます。この宗十郎の相手の敵役は、もと沢村淀五郎とされ、私も従ったことがありますが、似顔から判断して嵐竜蔵と訂正したいです。宗十郎とはよく組む悪役専門の腕ききで、春英・写楽その他の絵師の作にも登場する格をもつ役者だからであります。だがこの狂言の考証は傍証資料乏しくつけにくいです。スタイルは寛政九年とみてよい画調で、扮装から夏芝居と思われる点だけ指摘しておきます。宗・竜両者視線の合った構図もよいですが、表現する版画技法もすぐれています。顔・手の輪郭は淡褐色の別版で摺り出し、これが質感表現にはなはだ適しています。大胆な黒つぶしのパックは闇仕合の歌舞伎の黒幕を思わせ単純で複雑な効果をあげています。ちなみに宗十郎の横目は洒落本『仕懸文庫』に「宗十郎が似顔じゃアねへが横目で睨んでも云々」とあるよう、よほど特徴だったらしいです。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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