見立荘子胡蝶の夢 春重 jpsharunobu66

見立荘子胡蝶の夢 春重

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見立荘子胡蝶の夢 春重

絹本著色 42.3×60.6cm
落款:蕭亭春重
 朱塗りの机を脇息がわりにうたたねする遊女が、夢に蝶と化して庭前の牡丹花に戯れ舞うという図です。荘子が夢の中で胡蝶となり、党めてのち夢かうつつか、彼我の別を忘れたという有名な故事を見立てたものです。かたわらの煙草盆に金泥の細字で「蕭亭春重」の落款が記されており、本図が春重のちの司馬江漢による、艶麗な浮世絵美人画の肉筆と知られます。髪型から推察して、安永年間にはいって以後の作品でしょう。
 江漢は晩年の著『春波楼筆記』の内に「江漢後悔記」の一章を設け、簡単な自伝を記しています。それによれば、彼の絵画修業は狩野派に始まり、のち宋紫石に師事して沈南殯の写生画風を学んだといいます。そしてさらに、当時流行の春信の偽物をつくり、或いはみずから春重と名のって浮世絵美人画に一時ふけりましたが、西洋画の合理的な画法に接してついに蘭画に転じたということです。本図の牡丹や岩石の描法には明らかに南頭画風が用いられており、春重・江漢同一人説を疑う一部の異論に、反証の材料を提出しています。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

ウィキペディア 鈴木 春信

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