今様十二ヶ月・仲夏之図 裏 豊国 jpstoyokuni34

今様十二ヶ月・仲夏之図 裏 豊国

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今様十二ヶ月・仲夏之図 裏 豊国
団扇絵揃物 21・8×28・9cm
落款:豊國画
板元:伊場屋仙三郎
 豊国は晩年文政期でも構図作成への工夫と努力は怠っていません。どこからかの注文かもしれませんが、掲載図を含む十二枚のシリーズは当世美人の十二か月各様の風俗を、団扇の表から裏にわたって有機的にまとめた構図で、計二十四枚、造型意欲の充実した作品揃いになっています。
 集中の優れたものとしてここでは「仲夏の図」を抜きました。仲夏は陰暦五月の異称。夏の半ばで、今ならさしずめ六月頃に当たります。長雨時の湿度はまだ残り、やがて夕立や雷の季を迎える時期で、そのような季感がこの絵の画調からうかがえます。燈を消したうっとうしい闇の蚊帳から抜け出た美人が、階段の降りロから下をのぞくポーズをとらえ、たくし上げた着物と白い腕に夏を感じさせます。ロをおおった懐紙の端にちょっぴり付いた口紅の痕が、妙にこの絵の色気を増しています。裏面の蚊帳内、煙草盆から突き出た煙管が蚊帳にふくらみをもたせ画面を締めています。午字の検印と方形の極印があるので文政五年の作と判定されます。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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