浮絵阿蘭陀雪見之図 豊春 jpstoyokuni50

浮絵阿蘭陀雪見之図 豊春

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浮絵阿蘭陀雪見之図 豊春
大判錦絵 26・0×39・0m
落款:野川豊春画
板元:松村弥兵衛
所蔵:リッカー美術館
 豊春の浮絵は、取材範囲も広いですが、とり入れた要素も多々あるようであります。ここにのせた「阿蘭陀雪見之図」の阿蘭陀の称は、必ずしも地名をさすものではなく、西洋風描法の、といった意味合いに解され、内容の地域はいろいろの場所が出現しています。当図など、画中人物の服装、楼閣や山岩樹木のたたず一いはきわめて中国風に近いです。なおこの景を表す西洋風描法も、当時ではまだ線描による透視画的遠近法の域を出ず明暗はまだ施されていません。この雪見図が中国風に近いことは前述しましたが、全体の布置や、陰影を象徴的に表す多数の平行線条の用法は、蘇州版画のそれにきわめて近似します。豊春の浮絵には西洋銅版画以外にこういう中国的遠近法が混在している点も注意する要があります。賦彩がはなはだ美しく、紅・草・藍に対するバックの鼠色に絵具の酸化が生じ、かえってどんよりした雪空の感じを出している点が面白いです。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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