梅見美人 国丸 jpstoyokuni57

梅見美人 国丸

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梅見美人 国丸
大判錦絵 38・7X25・6cm
落款:彩霞楼國丸筆
板元:松村辰右衛門極印
 国丸は気っぶのいい人だったらしく、どの絵にもどこか淡白さが見えます。外見は粗に、内に洗練された美意識を宿す末期江戸前美人の気性といったものが、彼の美人画には隠顕しています。当図もその一つ。裾模様を施した簡素な黒の着付けですが、角張った帯、爪立てた足先とともに、リンとした意気を感じさせる文政美人がここに見られます。梅の枝を墨絵風に描いたのも一興。目先の変化を狙ったらしいです。その巨大な枝振りから見て、亀戸の弑刳原でしょう。この香りも江戸前美人と通うものがあり、取り合わせがよいでしょう。縁先に置いた盃洗めく焼物には、白抜きの文字で「蜀山人 みゃこどりく□□(二字難読。とてヵ)すみだ川」と記し、字体も蜀山人の筆に似ています。美人の裾模様が、ちょうど流れに遊ぶ都鳥を描き、この句と呼応して江戸情調を何となくかもし出しています。
 なお、この図は構図から見て三枚続きの左端のようにも思えますが、これなりにまとまった感もありますので、彼の佳品として掲出しました。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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