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国貞 霧中ノ山水

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国貞 霧中ノ山水
大判錦絵 揃物 25.0×36.9 cm
落款:香蝶楼國貞画 板元:山口尾藤兵衛 極印
所蔵:酒井コレクション
 国貞には珍しい風景画の作例です。彼はこの穐の趣のものを、同じ版元山口屋から十一点ほど出しています。その中ですぐれた感党を示した作品として当図があげられます。前景の土埃と樹木、対岸の絶壁にのみ実線を用い、中景から遠射にかけては、薄墨の色面の濃淡で構成し、拭きぼかしという、濡れ布巾で湿気を与えつつ色をぼかしてゆく高度の摺り方を用いて巧みに奥行きを表出している。単純な色調でありながら、要所にやや濃く施した叩きぽかしの技法が微妙なアクセントを画面に生み、早朝の微風に動くともなく揺曳する窃のたたずまいを的確に表現しています。藍の河中に一般、薄墨でポツリと入れた小舟と、岸辺に立って手を挙げた人物とが、静かな画中に動感を呼び、詩情を形成しています。お茶ノ水のあたりの景で、奥の橋は水道橋と見る説があり、妥当のように思われます。構図を『文鳳山水遣い稿』から借りたとする向きもありますが、これは今少し検討を要したいです。そういう穿盤を離れたい自然感のある作品です。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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