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市川男女蔵の富田兵太郎 写楽 jpssharaku35

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市川男女蔵の富田兵太郎 写楽

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市川男女蔵の富田兵太郎 写楽

細判錦絵31.3×12.9cm
落款:東洲斎(寫業)
板元:蔦屋重三郎極印
所蔵:シカゴ美術館
 ここに描かれている場面のことについては第34図の解説でみてきたところですが、左手で小田原提灯を持ち上げて目の前にいる怪しきものの顔を照らし、右手に刀をつかみ、いつでも抜ける構えをしています。左の足指を袴の下からちょっとみせ、闇を見透かしてはっとかなたをにらんだ表情が、身体のすみずみにまで表され、よく神経がいきとどいている作品です。しかし残念なことに右手首の描き方に無理があります。提灯に極印や板元蔦重の山形に蔦の紋などを描き入れた趣向は面白くて結構ではありますが、提灯自体の描写に無理があります。『評判記』によると、この『二本松陸奥生長』に出演した市川男女蔵の富田兵太郎と関取雷鶴之助の役は、「立ち役上上吉 八席」でした。
 昭和五年発行の野口米次郎箸の『東洲斎写楽』には、この絵を掲載しており、「本図は米国市俄古バッキングハム蒐集中の一つである」と述べ、役名も『歌舞妓年代記』に出てくる富田金太郎をそのまま使用しています。
東洲斎 写楽 Toushusai Sharaku

Wikipedia Toushusai Sharaku

ウィキペディア 東洲斎写楽

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