破魔弓 春信 jpsharunobu33

破魔弓 春信

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破魔弓 春信

中判錦絵 29.6×21.2cm
落款:鈴木春信画 板元:不明
所蔵:メトロポリタン美術館
 紫の羽織を着、黒のお高祖頭巾をかぷった女が、破魔弓を手にし、羽子板や裏白の葉など正月の祝儀物を雁に背負った少年に呼びとめられたところ。歳末の街頭にみかける寸景を、春信風に芙しく理想化して措いています。
 不整形の五、六角形を並べた石垣がしゃれた装飾文様をつくり、やや粗雑な彫りあとに軽快な彫刀の運びを楽しませてくれます。と同時に、その鼠色によって、木枯らしの吹き通う冬の寒気や、新春を間近に控えた年の暮れのあわただしさをさえ感じさせます。簡単な背景描写によって、画中人物のおかれた環境を端的に描き表そうとする、春信得意の手法がここにみえます。また、むくつけきはずの物売りも可愛らしい童児に姿を代え、粋筋とおぼしき美人もけがれない乙女の表情をつくるなど、現実を浄化して夢にも通う絵画世界を作出しようとする、春信の基本的な姿勢が貫流している作品です。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

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