雪中烏鷺図 湖竜斎 jpsharunobu58

雪中烏鷺図 湖竜斎

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雪中烏鷺図 湖竜斎

中判錦絵 25.6×19.6cm
落款:湖龍画 板元:不明
所蔵:リッカー美術館
 雪持の柳の幹にとまる白鷺と烏を、黒白の羽毛を対比させて大きく描き出します。鷺を描く的確な細い線、烏の羽に用いられた彫り残しの白い線、木版画特有の効果を充分に意識した表現が心にくいです。かたわらには、椿のI枝がいろどりとして添えられています。
 浮世絵の題材として花鳥画が重要な位置を占めるようになるのは、北斎や広重の傑作が量産された幕末期においてです。しかし、初・中期にも、鳥居清倍や酉村重長、あるいはこの湖竜斎と、この方面にすぐれた絵師がおり、庶民の鑑賞用に供せられていたのです。のちに肉筆画に専心し、画家として名誉の法橋位をさずけられた湖竜斎は、基本的な画技の修得に若き日の少なからぬ時期を過ごしたと推察されます。
本図にも発揮された確かな狩野派画法は、武家の出身と伝えられる湖竜斎の、漢画方面に畜えた素饗の深さをうかがわせます。この片肘張った描写力が美人画に顔をのぞかせたとき、思わず見る人に無骨な印象を与えることになるのです。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

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