国貞 集女八景・粛湘夜雨 jpskunisada02

国貞 集女八景・粛湘夜雨

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国貞 集女八景・粛湘夜雨
大判錦絵 揃物 36.8×25.0 cm
落款:五渡亭國貞画 板元:西村屋与八 極印
所蔵:静嘉堂文庫
 暗く降り注ぐ夜雨の中を、燈油を求めに出て、ようやくわが家の軒下に戻ったばかりの女性の一スナップをとらえた描写と見ます。水桶の蓋の上に載せた油差し、地面にさしかけのまま傾けて置いたやぶれ放題の破れ傘が、この女性の暮らしのほどや環境を語りかけます。グショ濡れになった裾をたくし上げて、水を絞るポーズが自然で、まだ水気を含んだ裾先の描写など実感を催させます。髪の濡れるのをかばった姐さん冠りの手拭いに女心の機微をとらえ、浴衣の藍や、紅の湯もじに映える白い肌がなまめかしく、絵師の用意は行き届いています。
軒先に引掛けた灯人りの提灯で、その照らすおぼろの光を想像させ、詩趣もほどよく漂います。着衣の藍染めの縁に施した板ぼかしの技法が、質感表現に、またはなはだよく効いています。
題名は中国の伝統画題、蕭湘八景の江戸的なもじりで、内容もこれに伴う当世女性風俗の見立構図となっています。洞庭秋月・平沙落雁・江天暮雪・煙寺晩鐘・山市晴嵐・漁村夕照・遠浦帰帆とそれに本図の八枚からなります。文政期の秀作。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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