国芳 忠臣蔵十一段目夜討ち之図 jpskunisada32

国芳 忠臣蔵十一段目夜討ち之図

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国芳 忠臣蔵十一段目夜討ち之図
大判錦絵 揃物 25.0×37.3 cm
落款:一勇斎國芳画 板元:板元印なし
 浮世絵に忠臣蔵を扱った図は数多くあり、役者絵系のものは置いて、武者絵系のものには、まれに洋風を導入したものがないでもないが、この図のように徹底した洋風表現の作品は類を見ません。用器画風にキッチリと遠近を割り出した幾何学的構図法が、一種の冷たさを持ち、雪景のこの場面描写にふさわしい効果を出しています。濃く薄く淡墨を重ね用い、投射する影の縁には板ぼかしを施し、壁の暗部や、月の浮かぶ中空には拭きぼかしを用いるなど、国芳の冴えた造型感覚は随所にその鋭さを発揮し、咬々と銀雪に映じる月夜の情景を見事に描出しています。黒色を主調とした赤穂浪士の布置も巧みで、首領の大石内蔵之助を、手にもつ采配で暗示する配慮も忘れません。白壁の塀に映る縄梯子や長槍の影の立体感も見事ですが、犬を手なずけるために投げ与えた餌がポッコリ浮いた感も好もしく、何となく詩情があります。だがそれ以上に、右端の人物が差し付けた痛燈から薄紅の光が放射状に淡く壁を照らす効果に感心させられます。制作期は天保初年、版元名がありませんが、山口屋かと思われます。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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