柳の川岸 春信 jpsharunobu15

柳の川岸 春信

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柳の川岸 春信

中判錦絵 28.2×21.4cm
落款:鈴杢春信画 板元:不明
所蔵:リチャード・P・ゲール
 柳の葉もいまだ稚い初夏の大川端に、さわやかな風が軽くやさしく流れ薫るなかを、宴席に向かう芸妓が舟を下りて陸に上がります。天明(1781~89)のころまで、町芸者は座敷への往復に振袖を着たといいますが、日傘を手にした振袖姿のこの図の芸者も、むしろ地味にすぎるほど町娘風の装いをしています。まだ舟に残る市松模様の帯をつけた年若の女は、三味線箱を運んでつき従う妹芸者でしょう。後年。箱屋”と呼ばれる妓夫の存在は、このころにはまだみることができないといいます。
 見立絵に得意の機智を発揮した春信ではありましたが、一方では、浮世絵師として当然のことながら、日常親しく目にする市井の風俗に直接取材した作品も残しています。ここに描かれるさりげない河畔の情景には、見立絵にみられるような、古典和歌に借りた王朝的美意識の痕跡はありません。いかにも江戸っ子好みの、淡白でさわやかな美感が、率直に表明されています。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

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