源信明朝臣(月鏡) 春信 jpsharunobu28

源信明朝臣(月鏡) 春信

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源信明朝臣(月鏡) 春信

中判錦絵 28.3×21.1cm
落款:春信画 板元:不明
 帯の端を口にして、中天の明月を見かえる美人の立姿は、哀桔をたたえながら楚々として美しいです。雲形の内に記される’源信明朝臣 こひしさはをなし心にあらすとも今霧の月を君みざらめや」の歌意を見立てて、月に想いをつなげようとする可憐な女の恋心を表現します。背後の襖絵には、恋の成就を願うかのように、番のおしどりが仲むつまじく寄り添っています。
 雲間にのぞく満月は銀色の光をふりまき、ものみなをさわやかに洗い清めます。紙の素地をいかした雲の白、曲水のうす藍、庭而の灰色、胡粉をまじえた縁先のうす紅、そして畳表の黄色と、月と美人の閻を斜めに横切る淡い色面の帯は、幾重にも重ねられて両者をへだて、あるいは微妙な韻律のうちに緊密な呼応を生み出しています。春信は、画面にほどこすそれぞれの色に、主題に即した特殊の感情を盛り込むことを得意としましました。このすぐれた色彩感覚こそ、彼をして錦絵創始期の第一人者とした、大きな要件の一つでしました。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

ウィキペディア 鈴木 春信

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