浮世美人花寄・娘風 春信 jpsharunobu29

浮世美人花寄・娘風 春信

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浮世美人花寄・娘風 春信

中判錦絵 28.1×20.9cm
落款:鈴木春信画 板元:不明
所蔵:東京国立博物館
 亀戸天満富にほど近い竜眼寺は、境内に萩が多く植えられ、昔から「萩寺」の名で親しまれています。ここをしばしば訪れた芭蕉は、「ぬれて行く人もをかしく雨の萩」の一句をよみのこしています。図は、この萩の名所を訪れた若衆と娘が、瞳をかわして想いをつなげているところを描きます。背後には「濡て行人ハおかしや萩……」と刻まれた芭蕉句碑が見え、上部の雲形には、題字と「いとゝ又折てぞ増る秋萩の花色衣露のたてぬき」の和歌が記される。紅色の花と草色の葉が、重く、またしなやかな波をつくる萩の描写は、とりわけて美しいです。町方の娘の姿になぞらえた萩の花に、画家の精力は集中してそそがれており、この図の主役が男女の人物よりもむしろ花の方であることを、明らかに物語っています。
 「浮世美人寄花」のシリーズは、当時有名な江戸美人の風姿を各種の花に通わせたものですが、この「娘風」のみが、特定の人物を示していません。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

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