六玉川・攘衣の玉川 春信 jpsharunobu37

六玉川・攘衣の玉川 春信

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六玉川・攘衣の玉川 春信

中判錦絵 27.8x21.0cm
落款:鈴杢脊信画 板元:不明
 土壁の窓から実もたわわな柿の木が見え、ささやかな灯火の皿が柱にかけられているところから、砧打つこの場が、秋の夜の田舎家の土間と知られます。さし込む月の清光を浴びて木槌で布を打ちやわらげる女たちは、農家の主婦とその娘ということでしょう。しかし、春信の心象世界の住人である以上、衣髪の装いは美しく、また雅です。壁に貼られた二枚の浮世絵版画は、細判で板元印をのせる形式から、錦絵以前の。紅摺絵”と考えられます。鄙の家にふさわしい時代遅れの装飾と見せるための、画家の工夫でしょう。
 春信描く「六玉川」の中判の連作としては、ほかに画面上部に雲形をつくり、玉川の名と歌人名、それに和歌を記したシリーズがあります。なかでも布を晒す母親のそばで、腹掛け姿の幼な子が魚を追う「調布の玉川」は、清澄な色彩の配合も美しい優品です。なお、雲形に和歌を記し、扇形に川の名、短冊に国名を記す揃物は、「春信画」の落款にもかかわらず、春重による作画と考えられるふしが強いです。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

ウィキペディア 鈴木 春信

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