風俗四季寄仙・水無月 春信 jpsharunobu39

風俗四季寄仙・水無月 春信

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風俗四季寄仙・水無月 春信

中判錦絵 27.8×20.8cm
落款:脊信画 板元:不明
所蔵:高橋コレクション
 「吹風は川辺涼しくよる浪の立かへるへき心ちこそせね」の和歌に通わせて、大川端の茶屋に涼をとる若衆の姿を描きます。床几に休む美男子に茶を運んできた女は、結綿の紋を大きく染めた団扇を手にもちます。当時人気絶頂の女形役者二代目瀬川菊之丞の紋です。女も客も右上方を見上げているのは、今しも花火が打ちあげられたところなのでしょう。川面には納涼の屋形船が幾般も浮かび、上方には対岸の両国橋橋詰の景観が見渡されます。
 陰暦の六月(水無月)といえば夏の盛り、猛暑にうだる江戸の市民が、涼みがてらの夜歩きに、両国橋辺の大川端へと集まるころです。陸には見世物小屋が開き、両岸の料亭や茶屋の光は流れに映えて美しいです。大小の船が水面をおおいかくし、絃歌鼓吹の声は耳にかまびすしく流れ渡ります。「実に大江戸の盛事なり」と、『江戸名所図会』(巻一、天保五年刊)はその盛況を伝えています。この図が描かれた明和の頃も、ほぽこれに近いにぎわいをみせていたことでしょう。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

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