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二代中村野塩の手拭いをかぶった女 国政 jpstoyokuni38

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二代中村野塩の手拭いをかぶった女 国政

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二代中村野塩の手拭いをかぶった女 国政
大判錦絵 37・2×25・5cm
落款:國政画
板元:上村与兵衛極印
所蔵:セオドアーシャイペー
 国政の大首絵中、版画の特色をいかにもすなおに駆使したおおらかな一作としてこの図をあげました。肉体の輪郭線に地墨を、衣紋や髪・目眉等に艶墨の使用は彼の常用するところですが、姐さんかぶりの手拭いをバックの鼠潰しと同版で鼠色に表した着想は、近代的センスに通じる警抜さを示します。平板の色面の取り合わせでヴォリューム感を出すのは、なべての錦絵の特色ですが、国政の色面の扱いはとりわけ冴えています。
 当図の役柄考証はむずかしいです。手拭いに染めた大きな矢車の紋と似顔から、二代中村野塩であることは容易に判定できますが、狂言名を推定する特長が把みにくいです。もと寛政十年三月中村座の『岩駒駿曾我』の笠屋干かつという説がありましたが、落款が時代と合わぬようです。故吉田瑛二氏は同七年九月都座『芦屋道満大内鑑』の葛の葉と、おそらく服装から判定されたが納得ゆく考証は示しておられません。国政の寛政七年の確証ある作はまだありませんから、類似様式の寛政八年の刊行と見て、考証は後日を期したいです。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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