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国芳 近江の国の勇婦於兼 jpskunisada33

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国芳 近江の国の勇婦於兼

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国芳 近江の国の勇婦於兼
大判錦絵 26.4×38.4 cm
落款:一勇斎國芳画 板元:山口尾藤兵衛 極印
 片仮名のキの字お兼の足駄跡『古今著聞集』巻十に見える、近江(滋賀県)海津の宿の遊女で大力のお金が、荒れ狂う奔馬の手綱の端を足駄で踏みとどめ、馬を鎮めた話が、近世の小説や舞踊に採り入れられ、名もお兼として伝えられました。そのお兼の下駄の歯が手綱と交叉して地面に印した痕を想像してよんだ川柳ですが、この説話の普及度がよく推し測られます。したがって画題にもよく採られ、構図に趣向を凝らしたものには、荒れ馬のみ狩野派風の力強い筆意の描線で表現した作まで出ました。奇想家国芳の画想は、さらにこの趣向を反転して、明暗を際立たせた大胆な洋風描写を、馬ならびに背後の風景に試みました。蘭書ヨンストン動物図譜に系を引くかと見られる銅版画風の悍馬、日本放れした幻想的な積雲、そしてこれと対照的に、当世風浮世絵美人のお兼の歌舞伎的見得が、違和感なく渾融し、ふしぎな生気を放射します。ピンと張った手綱を底辺線として、馬と人とが二等辺三角形を形成して安定感を見せる構図法をとっている点も注目されます。国芳の野心の流露する作品です。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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