風流八景・夜雨 豊国 jpstoyokuni06

風流八景・夜雨 豊国

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風流八景・夜雨 豊国
大判錦絵 揃物 36・1×23・4cm
落款:豊國画
板元:和泉屋市兵衛極印
所蔵:ボストン美術館
 このシリーズは近江八景見立の美人画の連作であります。夜雨と唐橋(勢田の夕照)と暮雪(第101図)の三点の図柄が紹介されているのみでしたが、最近帰帆の図様(第102図)も知りえました。またあわせて八景を二枚ずつ続き絵様式にし計四組のセットにしたらしいことも判明しました。美人の持ち物や、周囲の調度類で八景見立をきかせ、品の良い作品群を作り成しています。
 この夜雨は、障子屏風の前に坐った娘が、稗蒔きの鉢に興じている姿を描きます。稗蒔きは鉢に水を含ませた綿を敷き、ヒエかアワを蒔いてその幼苗の伸びた状に青田のおもかげをしのぶ可憐な小盆栽。絹糸草とも呼ぱれ、心の和む玩弄品であります。娘の手にする稗蒔きには蓑笠をつけた泥細工の豆人形が立ち、そのかざした松明が、美人の黒い着付けをおのずと暗夜に見立てた形となって映え、気の利いた夜雨の景趣を形作ります。着付けの松葉散らしの裾模様も唐崎の名松を連想させます。美人の姿態には栄之あたりの感化がうかがえ、黒の衣裳が黄潰しのバックに映えて鮮麗な印象を与えます。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

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