雨 春信 jpsharunobu05

雨 春信

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雨 春信

中判錦絵 26.9×20.1cm
落款:なし 明和三年絵暦
 被衣をかぷる貴婦人が、侍女に傘をさしかけさせて雨の中を歩みゆきます。まるで京都の浮世絵師西川祐信の絵本からそのまま抜け出てきたような美人たちの物腰には、優美な都ぷりへの強い憧れが表明されています。傘の縁にはめこまれた文字は、「メイワ三ヒノヘイヌ 大正三瓦六八九十一」と読め、明和三年丙戌の年の絵暦ということがわかります。
 春信が描く絵暦は、明和二年と三年のそれに集中しています。江戸の好事家たちによる絵暦交換会への熱狂はこの両年にわたりましたが、明和三年の絵暦で現在も伝え残されているものは比較的数が少なく、この年にはようやく彼らの熱意も鎖静にむかったらしいです。おそらくは、絵暦競作の過程で開発された錦絵技法が浮世絵の版元に採川されることとなり、秀麗な色摺版画が、商品としてひろく一般に提供されるようになったのでしょう。わざわざ高価な費川を自弁してまで、新鮮味のうすれた絵暦の制作にうつつをぬかすまでもなくなったわけである、
鈴木 春信 Suzuki Harunobu

Wikipedia Suzuki Harunobu

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