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高しまひさ 豊国 jpstoyokuni07

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高しまひさ 豊国

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高しまひさ 豊国
中判錦絵 25・9×19・0cm
落款:豊國書
板元:和泉屋市兵衛
所蔵:高橋コレクション
 婿然とほほえむ美女、高島おひさの愛くるしい顔が鏡中に映ったデザインで、豊国はこの構図をまとめています。この鏡はその簡素な構造から見て、いわゆる自惚鏡、すなわちガラスの裏面に水銀を塗布した、小型で携帯便利な懐中鏡でしょう。従来の金属鏡より容貌がよく見え、うぬぼれて己が容貌を見るゆえこの名があるといいます。寛政元年刊の洒落本で『自惚鏡』の題をもつ作があり、その序に「所謂浄波梨の鏡は、紅毛のスピーケル、唐山の火斉鏡、我邦に称する自惚鏡なる物是なり」とありますから、当時目立って流行したものらしいです。画中の上部に、回転軸に取り付けた、鏡面保護のための蓋板を見せ、鏡の実感を見る人に与えます。縁枠の描写が克明なの         き ら ずで、枠内に施した雲母摺りが鏡面の感じをよく出して、奥行きを見せ、沈んだ光沢が快い効果をあげています。おひさの顔には胡粉を引き、さらに目のふちを淡く紅のぼかしでいろどるなど、総体に何か質感表現に意欲を示した作品であります。
歌川豊国 Utagawa Toyokuni

Wikipedia Utagawa Toyokuni

ウィキペディア 歌川豊国

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