東海道五拾三次之内22番目 藤枝宿 ふじえだ Tokaido53_22_fujieda 画題:「人馬継立」 現在の静岡県藤枝市で、藤枝の宿は岡部から6.8キロメートルある。
ここの海岸が焼津である。この絵は宿場の問屋場風景が描かれている。問屋場とは、人馬の継ぎ立てや貨物の運送をさばいた所で、町役人がいて荷物の賃金をきめたり、馬の乗換えをしたり、人足の補充をしたり、駅伝の重要な機関であった。この昔の街道に、なくてはならない機関の有様を描いたのが、この絵で、問屋場の役人、汗をふいたり、煙草をふかして一休みする雲助たち、馬の鞋をとりかえる馬士など、あわただしい問屋場のひと時の情景が面白く描かれている。
この絵は風景画というより風俗画といってよく、資料的に価値がある。
歌川 広重 Hiroshige Utagawa