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尾上松助の松下造酒之進 写楽 jpssharaku16

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尾上松助の松下造酒之進 写楽

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尾上松助の松下造酒之進 写楽

大判錦絵39.0×25.6cm
落款:東洲粛寫巣画
板元:蔦屋重三郎極印
所蔵:東京国立博物館
 のびた月代、ほつれた警、くずれた髪、黒い目のふち、浪人して貧困の生活にいき、その上志賀大七に殺される悲惨な松下造酒之進の役柄、その内面的な性格をよく表現しています。
 松助は初代尾上菊五郎の門人で、明和より立ち役となり、晩年松緑となります。早替り怪談劇等の外連(俗受けをねらう演出)に巧みであったといいます。特に得意であったのは世話物ともいわれていますが、反㈲、突悪、色悪、公家悪も得意とし、はじめ女形でのち立ち役になっただけに『鏡山』の岩藤などが当たり役といわれていました。
 松助の陰影のあるそして寂寥感のただよう役柄に、写楽の配色は非常に鋭敏な考慮がなされています。濃い黒がかった緑の着物に袖口と刀の浅黄色のきわめて質素な配合、それに背景の黒雲母とによって、松助の演技は完璧に描写されたといってよいでしょう。小道具の白扇も、画面に変化をもたせ、その持つ手の力なさにも役の心理的表出がみられます。「重ね扇の丸に松の字」が松助の定紋です。
東洲斎 写楽 Toushusai Sharaku

Wikipedia Toushusai Sharaku

ウィキペディア 東洲斎写楽

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