東海道五拾三次之内42番目 桑名宿 くわな Tokaido53_42_Kuwana 画題:「七里渡口」 現在の三重県桑名市で、宮宿から27.5キロメートルで桑名宿である。
宮から伊勢湾を渡ったところ、揖斐川の川口の城下町が桑名である。ここまでの乗合船賃は、文化時代は60文で、20刻を要したという。また、この七里の渡を間遠渡ともいった。港の入口に桑名城があり、築城は天正の初め、滝川一益の手によってなされた。
桑名城と伊勢の海を背景として、今二艘の船が港に入っていくところで、帆を下ろしつつある構図の動きに、この絵の魅力がある。また近景の海波がこの絵の重要な役目を勤めている。ということは動く波の描写の素晴らしさがこの絵を生かしているということである。船と波の動的なのに対し、海上遙かな帆船は悠々とした静かさで、これも近景を生かしている
歌川 広重 Hiroshige Utagawa