北楼及演劇図巻 ほくろうおよびえんげきずかん
絹本著色 一巻 32.1×1022.6cm
落款:菱川師宣書
所蔵:東京国立博物館
古来、師宣研究の試金石と称えられてきた一巻でしょう。藤懸静也博士はつとにこれを「国華」誌上に紹介し、論説を添えています。もと松坂屋なる人の蔵するところといいます。掲出の図はその延宝八庚申春菱川師宣審一と署名する一図でありますが、寛文十二年(1672)から延宝・貞享・元禄におよぶ各図年記と署名あるものを接続したものでしょう。ところが昭和四十七年春大英博物館の蔵品を桐べていると、隙種の絵一幅あるのを検出することが出来ました。ここをもって考えると、桜川慈悲成や蜀山人らが序駿を加えて改装するに際して、欠落したものでしょうか
菱川師宣 hishikawa moronobu