役者絵 春章
大々判錦絵揃物 42.8×31.2 cm
落款:春章図 板元:岩戸屋源八
所蔵:東京国立博物館
東盾・初代中村仲蔵
板元の岩戸屋から試作された扇の地紙で、東扇と称し、余白に「一此厨之儀地紙のなりに切りぬき折筋之通りに御折被成候てさいつちニてたたき候て上下をそろへ長サ六寸ニ切御有合之古ほねニてもうらのかたより片面二付ケ被成候ヘハ早速之御間二合ひ御持扇と相成申候絵柄色々追々出板仕候尤御屏風襖之張リまぜにも相成り申候御求可被下候版元岩戸屋源八」と記して売り出しました。
春章の作には市川団十郎、中村松江、岩井半四郎、市川門之助、瀬川菊之丞、松本幸四郎、中村仲蔵、大谷広右衛門などの半身像をうつすものがあり、ほかに豊春の魚、湖竜斎の花扇や梅に尾長鳥などが残っています。清長の竪二枚続き大判錦絵に扇の地紙充りを描いてあるように、岩戸屋の敬白の通り実用に徹したり、また足利時代からの慣習の扇散らしの屏風などに貼装したと思われます。
勝川春章 Katsukawa Syunsho