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役者絵 文調 jpsShunsho62

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役者絵 文調

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役者絵 文調
細判錦絵 30.3×14.3 cm
落款:一筆斎文調画 板元:不明
所蔵:早稲田大学演劇博物館
二代瀬川菊之丞のお綿(「太平妃賤女振り袖」明和四年一一月中村座)
 明和四年中村座の顔見世狂言での『太平記賤女振り袖』におけるお綿の役演出の二代目瀬川菊之丞(二十七巌)とされます。この人安永二年三月に没しました。
 「……のしんのほと わすれやらす 誠にく御嬉しく そんじ上 まいらせ候」といった文をよみさして、うしろをふり返る菊之丞のなよやかな女形姿が写し出されています。この芝居のことについては、私は何も知らないのが残念です。
 明和二年錦絵を創成して、その七年に没するまでの五年の間に八百ほどの作をあげた春信につづいて、文調も春章も湖竜斎も、浮世絵を黄金時代へと盛り上げていきました。文調は春信がきらった役者芝居の絵に精進して新境を啓示するのですが、そのはじめは春信風に強く感化されていたことが、この菊之丞の容姿描出の上でも察せられるでしょう。だが春信は笠森お仙などがモデルであり人がちがいますし、役者の似顔に専念した文調は個性化の方向で新様を開拓していきました。
一筆斎文調 Ipitsusai Buncho

ウィキペディア 勝川春常

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