・浴衣 歌麿
大判錦絵揃物 34.0×25.4cm
落歓:歌麿筆
板元:不明
所蔵:シカゴ美術館
団扁をもった芸妓姿であミところから、「団扇」を題名とする所蔵:もあります。
「六玉川」の大竹絵や「娘‐時計」のシリーズで、肉色の輪郭線や無線摺りの用法に成功した歌府は、ここでは歌麿形新模様と題しているように、豪華な衣裳美を主眼としたのでしょうが、その着物に色の線をまったく川いず、線の空押しだけで、その区分をあらわしたため、肉色の線で描かれた女性の顔がより印象的なものとなり、この豪華な着物の下の豊満な肉体を感じさせるものとなっています。本図は、そうした新しい作画の試みで注‐される以上に、画面上部の巻物形に、彼の自画自賛の言葉があることで知られる作品です。
「凡美人を画にみす身と云事有は唯容愛と美相のふたつなりされば面作うつくしく媚に愛を含すればおのずから覧人の心動きまた形チ嫁娼にして風情有時は人情伝染するものなりねがはくば予が筆意の艶と不具のうつし絵との猶諸君子の貴評を待」というものです。
喜多川歌麿 Kitagawa Utamaro