東海道五拾三次之内21番目 岡部宿 おかべ Tokaido53_21_okabe 画題:「宇津之山」 現在の静岡県藤枝市で、鞠子のつぎが7.9キロメートルで岡部宿である。
この宿に入る手前に宇津の山、宇津谷峠がある。ここも東海道の難所の一つである。
絵は両方から迫る山の間の峠道を描いている。道に沿って水音高く渓流があり、右手の山の杉木立が山の深さを描いている。道に沿って水を上から樵夫が粗朶を担って下りてくる。下から旅の行商人と山の女が登っていく。渓流に差出た立木の葉は早や紅葉している。しかし山肌はまだ青い。この左右の青さの部分があまりにも多すぎる恨みがある。この絵の画調をおいたのかもしれないが、あまりにも働きがなさすぎる感じがする。
歌川 広重 Hiroshige Utagawa