花鳥図 かちょうず Flowers and birds view. 雪舟 Sesshu
絹本着色 双幅 各30.0×39.0cm
この図はもとは屏風絵てあったらしく、その一部が切られて掛幅仕立となったようてある。両図の切れ方も不自然てある。両幅とも落款、印章はないが、もとの屏風絵には款記と印卓はあったにちがいない。「探幽縮図」(平福百穂氏旧蔵)にある図てあることからそれ以前に切られていたものてあろう。
図は花咲く野や水辺に綻ぶ草花、花木を写し取り、さらにそこに鳥類の生態をよくとらえて配置したものてあ この作品はかなり彩色も豊富て、他にも花鳥図はあるが、屏風絵形式の中てはもっとも濃厚な色彩を用いている。このような例は大変少ない。それに部分図であるため全貌がわからないのて多くを語ることはてきないが、鳥類草花の写生は、まことによく描かれており、ここに、写実主義に徹した彼の忠実な作画態度を知ることがてきる。
この種の屏風は幾つかあるが、それらの作品よりも彩色が濃厚てある点、注目すべきものである。もしこの大画面が存在していたら、どれほど雪舟花鳥画の解明に大きな足跡を残すことになったてあろうか、資料価値が倍増するものてあるだけに惜しまれる。図に少し窮屈な感じがあるのは、大きな画面からのカットてあるからて、本来の空間処理に見事な腕を見せる雪舟技術の妙がここにはあらわれていない。
Sesshu 雪舟