東海道五拾三次之内52番目 草津宿 くさつ Tokaido53_52_Kusatsu 画題:「名物立場」 現在の滋賀県草津市で、石部宿から草津宿まで11.8キロメートル。
海道は右手に琵琶湖が近く、草津に着く。ここは中山道と東海道の分かれ道、つまり追分で、中山道は江戸から木曽路を通って、ここで合している。従って宿駅としては繁栄を見たところと思われる。
ここの立場でもあった、名物姥ヶ餅屋を描いている。街道には慌ただしく早駕篭が飛び、上納荷が担がれていく。しかし姥ヶ餅屋では旅人も馬士も駕篭かきも、一椀の姥ヶ餅に旅の疲れを休め、名物に舌鼓をうっているのどかさである。追分の道標が見え、餅屋を右に入るのが中山道か、暗い木曽路を象徴するような、かげりを見せている。
歌川 広重 Hiroshige Utagawa