四代市川団十郎 清重
大短冊判紅摺絵 39.1×17.9cm
落款:鳥居清重画 板元:丸屋山本小兵衛
山々に 勝りて 富士の 霞かな 市川団十良 三升とあり、個性的と思える風貌の四代市川団十郎の神立ち姿で、手を重ねて思い入れた図様であります。何の芝居であるか確かめてはいません。
清重を号するものに二人います。二代目は鳥居清満の門人で、はるかのちの文政頃に作品がみられます。初代清重は鳥居家の初代清信の門人で、なかなかの名筆でありました。清朝軒とも号しました。
その作画期は享保頃から宝暦の長期にわたっており、鳥居風の役者芝居絵に従事しています。安永二年(1773)に没したという一脱もあるから、宝暦末年で画界を退いたのでもあろうか。
この絵をみると鳥居流べったりというのではなくて、やがておこる似顔絵に先鞭をつける意欲的なところもあります。
鳥居清重 Torii Kiyoshige