花鳥図屏風 かちょうずびょうぶ Flowers and birds figure screen. 雪舟 Sesshu
重要文化財 1490年(延徳二)紙本着色六曲一双 各158.2×355.0cm 東京 前田育徳会
この屏風には「行年七十一雪舟筆」の款記がある。右隻には松に鶴、白鷺、流水、左隻は梅樹、竹と鶴、水辺に雁、小禽を配する構図て、前掲の花鳥図屏風より構図的に多様性を帯び、説明的になっている。彩色も濃厚となり、複雑化してきているが、やや平明な感がある。細部の鳥類の生態は写実体てあるから、その描写も精緻を極め、図中によく活動している。この屏風は、鳥類については一番多く描かれていて、鳥を主体とした屏風絵といったとも解されがちてある。すなわち丹頂鶴、山鳩、白鷺、駒鳥、鶺鴒、雀、燕、雁、翡翠、叭々鳥、じょうびたき、鵙などて、まことにその数は多い。しかもその生態をよく写し出していて、これらの写生画のあったことを想い起させる。現今鳥類についての図を形式のものが発見されていないのは、残念てある。この組合せもまことに巧みて、賦彩が多いだけに、屏風の各扇には水墨法に加えられた配色の面て、鳥や花に施した彩色が‐を射るようなのが特色てある。松の幹、梅樹、土岐、水辺の岩などに、雪舟独特の皺法や、節度のある墨線が駆使されている。
Sesshu 雪舟