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柳下納涼美人図 春章 jpsShunsho12

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柳下納涼美人図 春章

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柳下納涼美人図 春章
絹本署色 94.2×24.2 cm
落款:勝春章画
所蔵:出光美術館
 糸柳のたれて夕風にそよぐ風情、ときとして細く秀麗な眉のような新月のかかる景趣くらい、三伏の夏をしのぐ日本的な情緒はないでしょう。こまやかに移ろう風趣のデリケ―トな感触は、日本の風土の特色ですが、そのような自然環境の中に生まれ、人生をすごし家庭を営み世間と親交をして、おおかたの人が洒落のひとつもひねって美に耽溺します。そうしたひと時をもてるのを無上の愉悦と、私どもの祖先たちは思ってきたようです。
 その暑い日一日の労苦や仕事を終えて、湯上がりのうす化粧をし、まださめやらぬ室内の余熱をさけて、軒先の縁台に涼んでいますと、涼風が動き出し、誘われて川べりにたたずむ佳人が、夜目にも白いうなじ、薄ものにすけるやわ肌のなよやかに、団扇をあやつりながら、輝く明眸に笑みを含んでは楚楚として歩く姿を、そよぐ柳の下に演出するのは、こよなく艶やな日本女性の美の決定的な瞬間です。人好んでこれを歌いこれを描きましたが、春章のこの一作とくに出色です。
勝川春章 Katsukawa Syunsho

Wikipedia Syunsho

ウィキペディア 勝川春章

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